2016年1月19日火曜日

ゲートウォッチの誓い(OGW) はじめに

はじめに
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→無色・多色・その他編
→アーキタイプを考える
→オマケ BFZのカードについて

OGW=Oath of the Gatewatch「ゲートウォッチの誓い」
BFZ=Battle for Zendikar「戦乱のゼンディカー」

 ドラフト環境は、OGW→OGW→BFZの順番で計3パックを開封することになります。BFZは最後のパックです。
 これにより、前環境(BFZ3パック)で通じた戦略が、その効果を落としていることも多いです。
 例えば霧の侵入者」で嚥下し、「霞の徘徊者」でバウンスする…といった黄金コンボですら、すんなり叶うか怪しい。OGWには嚥下能力を持っているクリーチャーは1体もいません(カード追放能力はちらほら存在します)。最後の1パックでその両方を集めるのはなかなか難しい。
 「カラストリアの癒し手」を掻き集めて白黒ドレインデッキを作る…というのも、難しいかもしれない。そういったアーキタイプの中核を成すクリーチャーは当然人気が高く、最終パックのBFZで1枚も入手できない可能性も十分に有り得る。逆に、それらが入手できたのであればデッキの質は飛躍的に高まること請け合い。
 なんにしろ、最後の1パックであるBFZをあまりアテにし過ぎないピック指針が求められることになりそうです。
  


OGWの特徴

無色マナ

まず目に付くのが「荒地」をはじめとする無色マナの登場。
 MTG全体の歴史から見ても非常に大胆な、初心者殺しのルールが煩雑な新要素が導入されました。

 例えば、「忍び寄りドローン」は無色マナ(灰色ひし形のシンボル)を1つ使うことで能力を発動でき、「荒地を歩くもの」は唱えることに無色マナを必要とします。初心者の人は、ゲーム前に無色マナについてしっかりと確認をしておかないと、そもそもゲーム開始の土台に立てないので要注意です。

 乱暴に言えば、無色マナを使うカードは軒並み性能が高めです。無色マナは、6色目の「お膳立て」の色だと考えておけばまず間違いはありません。


優秀な小型クリーチャーの増加

前環境はどちらかといえば中速気味で、よっぽど上手くピックしなければ、高速でライフを削り切るようなビートダウンデッキは早々組めませんでした。
 OGWでは、低域からでも優秀な性能を持つクリーチャーが多く登場し、同盟者の数もどっさり増えています。前環境より、ゲーム序盤の攻守の重要性が高まるのは間違いないと思われます。

 
 
 また、新要素「支援」が登場。序盤に並べたクリーチャーをパンプアップし、お手軽に一線級の戦力に育てることが可能なので、やはり軽量クリーチャーの重要性は増します。
 
 前環境の感覚を引き摺り、低域でクリーチャーを揃え損なうと、ライフをごっそり削られて挽回できなくなるかもしれません。
 勿論、ただ軽いものばかりをデッキに入れれば良いという話ではありません(マジック・オリジン等のアグロ・ビートダウンしか選択肢の無い時代もありました が…)。BFZのエルドラージよろしく、中・高マナ域にも相変わらず強力なクリーチャーがひしめいています。これらは全体的にタフネスが高めで、小型クリーチャーの1,2体は跳ね除けるだけの カードパワーを持っています。
 畢竟、ごく当たり前の結論に。バランスよくカードを集めることが大事。




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ゲートウォッチの誓い(OGW) ドラフト点数表 白編

MTG Wikiのドラフト点数表の目安を参考に10点満点で採点してみました。


・そのカードの項で、他のカードについても言及した場合は、補足的に小さい画像を下側に表示しています。なお、レア・神話レア級のカードまで含めて考えると、ありとあらゆるシナジーが考えられて際限が無いので、レアカードについては補足的に言及していません。

・他カードに言及する場合、特に注釈無くBFZのカードにも触れます。要注意。

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白/White
(一度データがすべて消えているので、おざなり気味…)


変位エルドラージ/Eldrazi Displacer
9

 EtB(戦場に出たとき効果、CIPとも言う)の再利用、アタック阻止、アンタップ効果、ありとあらゆるシナジー・コンボを生む。
 本体性能が合格サイズなので、無色マナを使えようが使いまいが、色が合うなら採用レベル。


アーファの守護者/Affa Protector
5

 主に数合わせ要員だが、パワー3を止められるには用が立つ。同盟者なので盟友能力のお供にもなる。
 「甲殻の外套」なんかを着れば、より積極的に高いタフネスを活かすこともできるかもしれない。



同盟者の援軍/Allied Reinforcements
7

 支援を筆頭に、結集、盟友、チャンプブロッカー、etc…横に並ぶことでの利点は数多い。しかも同盟者。「掃き飛ばし」「掴み掛かる水流」などのバウンスには弱いが、これに撃つ相手はまずいまい。
 4マナ4/4と考えるとそれだけでも十分に優秀。



ゲートウォッチ招致/Call the Gatewatch
1

鼻糞。


まばゆい反射/Dazzling Reflection
4

 扱い辛いバットリ(コンバット・トリック。戦闘補助呪文)。まず素のサイズをアテにして討ち取らなければならないため、汎用性は低め。大物を複数ブロック等で討ち取るなど、ハマれば戦況を覆すだけの力は一応秘めている。
 「ニルカーナの暗殺者」「血の絆の吸血鬼」など、ライフを得ることでのシナジー・コンボは主に黒に多数存在するが、それらは殆どがBFZのカードである点も難点。守りの観点では、「ニルカーナの暗殺者」とは格段の相性と言えるかもしれないが、本体性能がしょうもない。



探検の猛禽/Expedition Raptor
7


 場を強化して、かつ本体が飛行。
 2/2はしょぼいサイズだが、それでも飛行の需要は常に高い。攻守で優秀なサポート兼アタッカー。下拵えが必要なので、手放しに強力と呼べる訳ではないが、ハマれば強力無比。


タズリ将軍/General Tazri
7

 EtB効果でキャントリップ(唱えることでカードを引ける効果、カードの損をしない)の様に動け、しかも状況に合わせて好きな同盟者を引っ張ってこれる。他にもレア同盟者などをピックしているなら是非とも欲しい1枚。
 サイズは将軍のクセにしょぼいが、まあ許せる範囲。神話レアなのは本当にしょんぼり。下のカラフルなやつは「抵抗者の居住地」などの色サポートがあれば、ワンチャン起動できるかもしれない。したところで劇的なもんでもない。



鑽火の輝き/Immolating Glare
7

 「きりび」と読む。神事に与る火や、木同士を用いての摩擦熱で起こす火のことを指すらしい。
 軽くて扱い易く、サイズ修正も無視。色が合うならこれを採用しない理由は、ほぼ無い。


イオナの祝福/Iona’s Blessing
3

 重い。修正値しょぼい。追加でブロックできる?だから何だ。
 除去を合わされると痛恨なので、通常はこんなもの採用に値しない。強化オーラすべてに言えることだが、わざわざ自分から「大物潰し」にかかる危険性も否めない。
 相手がやたらと「真っ逆さま」「封止の被膜」なんかを使うデッキなら、蛮勇を持ってサイドインすることもあるかもしれない。



孤立領域/Isolation Zone
7

 ダブルシンボルはちょっと気掛かりだが、クリーチャーを確定除去できるのは便利。エンチャントを追放できるのも、何気に使いどころがあるかもしれない。
 この「孤立領域」をはじめ、除去するに値する厄介なエンチャントは環境にある程度存在している。下に列挙しておこう。



コーの鎌使い/Kor Scythemaster
6

 攻める分にはかなり強力。特に欠色クリーチャーが増えた現環境では、「面晶体の刃」などの装備品と格別の相性。刃で接死を得ると、サイズで負けていても先制攻撃で問答無用に破壊することができる様になる。
 タフネスが1であることでの弱点も目立つ。1/4、2/4クリーチャー、「火花魔道士の計略」でお手軽に焼かれてしまうが、支援を絡めれば終盤でも一線級のアタッカーとなり得る。



コーの空登り/Kor Sky Climber
6

 サイズは合格。能力も合格。そして同盟者。お利口さん。


保護者、リンヴァーラ/Linvala, the Preserver
10

 秒でピック。


抗戦/Make a Stand
5

 小型クリーチャーを展開し、支援し、中型も着地し、よしそろそろ一発…こいつの出番。白含みの基本戦術にそぐうナイスな1枚。修正値はしょぼいが、安全性には代え難い。横に並びやすい環境なので、全体強化が1枚あるだけで決定力が段違い。
 最強の火力呪文「とどろく雷鳴」の対応策にも一応。



マキンディの飛空士/Makindi Aeronaut
6

 普通性能。支援の強化先にはピッタリ。1ターン目、「探検隊の特使」など、2ターン目にこれ、3ターン目に戮力協心」、などが理想的なアグロパターンか。
 数合わせに納まる器ではなく、支援することが前提となるが、白の軽量主力の一端。



力強い跳躍/Mighty Leap
4

 使い道がないほど弱いというわけではないが、特に欲しいもんでもない。アグロデッキでは一応使える。特に何もコメントしようが無い。


ムンダの先兵/Munda’s Vanguard
9

 相方さえいれば際限なく育つ。睨み合いになり易い環境なのでボム級と言える。


ギデオンの誓い/Oath of Gideon
5

 普通。まあええんちゃう(一度、このへんで記事のデータが全て消えているので投げやり)。


オンドゥの戦僧侶/Ondu War Cleric
7

 文句無しの主力。放っておくとライフと時間をたっぷり稼がれる。
 序盤の攻守の要役となり得るサイズでありつつ、中・後半にも盟友能力で立ちんぼにならない。
 特に黒と組むと、ライフゲインで得られるシナジーが多い。


救援隊長/Relief Captain
7

 驚きの支援3。本体性能も相打ち要員ぐらいには十分で文句ナス
 支援3をもれなく活かすために、「同盟者の援軍」「目なしの見張り」などで数を揃えたい。



焼尽の光/Searing Light
5

 非常に軽く、素直に便利。厄介極まる「忍び寄りドローン」なんかをスタックで破壊してやろう。
 飛行クリーチャーなら4,5マナ域でパワー2の者も多い。
 攻め時に合わせれば、「ゴブリンの自在駆け」「ジュワー島の報復者」などの怒濤能力とも相性が良い。



戮力協心/Shoulder to Shoulder
8

 是非1枚は欲しい。唱え得の強化呪文。
 3ターン目で唱えることに拘る必要はないが、1,2ターン目とクリーチャー展開してからのキャストは強力。緑白デッキなどで支援カードを掻き集められたなら、通常は積極的な採用に値しない「絶壁の見張り」「帆凧の斥候」ですら採用候補になり得る。
 すべてのアグロデッキと良く噛み合う。いや、別に中速でも低速でも何でも噛み合う。言い直す、すべてのクリーチャーと、すべてのデッキタイプと相性が良い。



落とし子縛りの魔道士/Spawnbinder Mage
6

 サイズはブロッカーには適格。ブロック後→盟友能力という流れが基本となるか。
 リミテのタッパーは強力なのだが、盟友能力はそこまで気軽に使えるものではない。相方が必須となるからだ。代わりにマナを必要としないのが利点。
 このクリーチャーのみならず、すべての盟友能力に言えることだが、「コーの刃振り」カラストリアの癒し手」「ズーラポートの殺し屋」など、結集能力を持つ同盟者はどうせ暇を持て余している。それらを有効活用させてやるのが最も効率的な運用方法だろう。



草原の滑空獣/Steppe Glider
7

 支援などで強化することが前提だが、能力は攻守で有用。
 サイズは今一つだが、「ジュワー島の報復者」を止められるタフ4は優秀と言える。装備品などで強化すれば、警戒を活かしてスキの無いエースアタッカーにもなれるだろう。
 ところで、相手を飛ばせる選択肢が一応存在する。飛ばせて「垂直落下」「ヴァラクートの涙」で撃ち落すのだ。なんとも迂遠な除去方法だが、一応そういうこともできるのだ。
 相手が支援を使うデッキなら、合わせてサイドインしてみるのも一興かもしれない。勿論、本命は素直に元から飛んでいる奴だが。



岩屋の装備役/Stone Haven Outfitter
7

 点数が高すぎると思われるかもしれない。だが、下の能力は実際凄い。装備品と合わせることは当然必須となるが、こいつ本体を除去されない限り、不凍のドローエンジンとして機能し続ける。防御にも勿論役立つが、攻めるに最適の能力。そのへんの小童を鉄砲玉に仕立て上げられる。
 仮に1/1トークンが「骨の鋸」面晶体の刃」程度のものを装備しただけでも一端のサイズに育ち、しかも死んでも損をしない。「甲殻の外套」なんか着られた日にはもう終わりである。
 2マナ2/2なら数合わせには十分な性能なので、装備品が1枚でもデッキに入っているなら採用しない理由も無いだろう。



石鍛冶の見習い/Stoneforge Acolyte
2

 すごく強い。初手級。


復興の壁/Wall of Resurgence
7

 一見して「書いてあることがおかしい」レベルのパワーカード。3マナ3/9と考えるとぶっ壊れである。前環境でも優秀なブロッカーであった「城砦化した塁壁」にたった1マナ足しただけでこれだ。クリーチャーが並ぶことになるので支援とも好相性。
 実際には、土地をクリーチャーとして破壊されることで土地が詰まり、マナ基盤が揺らぐ不安を抱えることになる…そう美味い話ばかりじゃないんだよ…というデザインなのだろう。
 しかし、ぶっちゃけリミテ戦なんてしょっちゅう土地事故が起こるものである。土地ばっかり5連続で引いたり、3マナ域から土地を一向に引かなかったり…誰しも必ず経験のあることだろう。ハッキリ言って、それはもう散々取り沙汰されたMTGというゲームが抱える根幹的な問題であり、詰まるところ運以外では不可避な事由である。
 リミテ戦で細かいことをいちいち気にしていても仕方が無い。強いカードは素直に使えばいいじゃないか。誰がどう見たってこれは強いんだから。
 

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